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寒い時期の季節そばとして、最近とみに人気が高いのが鴨南蛮だろう。以前は「南蛮」といっても鶏肉を使った鳥(かしわ)南蛮が主流だったが、合鴨肉を入手しやすくなったこともあって、この品書きを売りものにするそば屋が増えているようである。合鴨は年間を通じて流通しており、品質も向上しているから、冬場の季節商品としてだけではなく、年中提供している店も少なくない。 もちろん、鴨南蛮は何もそば独占の品書きというわけではなく、うどん台の種もの としても親しまれている。冬場などはとくに、合鴨肉を具にした鍋焼きうどん風に仕立てても喜ばれるし、この場合でも、ネギは合鴨肉によく合う。もっとも、鍋焼きを鴨南蛮と称するのはどうもしっくりこないけれども、鴨南蛮という言葉を広義に解釈すればそういうことになるという意見もある。 そもそも、この「南蛮」という言葉自体の意味が瞳昧なのである。物の本でよく引き合いに出されるのは、文政13年(1830)自序の随筆『嬉遊笑覧」の「又葱を入るゝを南蛮と云ひ、鴨を加へてかもなんばんと呼ぶ。昔より異風なるものを南蛮と云ふによれり」という一説だが、調理法に ついては述べられていない。 |
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