そばの散歩道


第33回 長岡 杏子さん

子どものころから、”酒とめんと肴“のある暮らしを堪能しています(笑)

第33回 
長岡 杏子さん
(TBSアナウンサー)

長岡 杏子(ながおか きょうこ)
TBSアナウンサー。1971(昭和46)年秋田県生まれ。秋田県立横手高校、慶應義塾大学法学部卒業。1994(平成6)年TBS入社。入社当初から一貫して報道・情報番組に携わる。「サンデーモーニング」「ブロードキャスター」「きょう発プラス!」などを経て、現在、毎週月から金曜日の昼番組「ピンポン!」でJNNニュースを担当する。趣味はゴルフ、茶道、特技は早起き。

名物「横手やきそば」誕生秘話を少しだけ

― 長岡さんのご出身は、酒処の秋田。肴も豊富ですよね。

長岡 きりたんぽ、しょっつる鍋、比内地鶏、お漬物も欠かせないですね。

― 「いぶりがっこ」ですね。

長岡 ええ、それ以外にもいっぱいあります。海の幸はハタハタくらいですが、山菜をはじめ、季節季節に山の幸も。

― 横手やきそばは昔から有名だったんですか。

長岡 私たちは、それが普通だと思っていたのですが、高校卒業後、進学や就職で各地に行った友達が、「どうも、ほかの焼きそばと違うぞ」って。

― どう違うんですか。

長岡 目玉焼きと福神漬けがのっています。他の地域は紅ショウガくらいですよね。それで、同級生が集まったときに、「この焼きそば、売りに出せないだろうか」って話になったそうです。実は、当時の横手市役所の焼きそば担当が同級生で、そんな裏話を聞いたことがあります。

― 具はキャベツと…?

長岡 豚のひき肉です。それから、蒸し麺ではなく、ゆで麺です。

― 確かに珍しい。お酒も有名な造り酒屋がありますね。

長岡 湯沢に「爛漫」「両関」。横手市内では「まんさくの花」「天の戸」などがあります。

― 自分がお酒好きだと気づいたのはいつごろですか

長岡 親戚一同、飲めない人がいないという環境に育ったので、お酒が飲めないと思ったことは、子どものときを含めて一度もなかったですね(笑)。

― ご両親も相当飲まれるのですか。

長岡 父は段々減ってきましたが、昔はビール、日本酒、ウイスキーとフルコースで毎日。晩ご飯が終わるころに、近所のおじさんたちがやって来て、二次会が始まるんです。

味噌も、漬物も、うどんも、ふるさとの味が一番

第33回 長岡 杏子さん

― 郷土食で一番好きな食べ物は何ですか。

長岡 「ちょろぎ」の酢漬けがたまらなく好きで、実家に帰るたびに大量に買って帰ります。

― ご実家では漬けないのですか。

長岡 うちの母は味噌漬けが得意で、味噌も毎年、母が仕込んでいます。米麹はあきたこまち、大豆は地元横手産。塩と水も天然にこだわり、長年愛用の木桶で、鰹節やだし昆布と一緒に1年寝かせるそうです。これを親戚一同に配るんです。ですから、市販の味噌は使ったことがありません。辛口だけど、とんがってない感じでしょうか。

― それは幸せですね。

長岡 叔母は「なた漬け」が非常に得意です。

― あれはうまい! たぶん、秋田だけでしょう。

長岡 大根を鉈(なた)でザクザク切って、麹と塩で真っ白に漬け込み、冬、戸外に出しておくんですよ。

― 凍らせるわけだ。

長岡 シャリシャリとなって、おいしいですね。

― ご自分でも料理をされるんですか。

長岡 朝は毎日、夜は週の半分くらい。手抜きのスピード料理ばかりですけど(笑)。夫が外で焼き肉などを食べてくることが多いので、野菜料理が多いですね。

― 麺類は、やはり横手やきそばですか。

長岡 一番好きなのは、稲庭うどんです。夫の実家が四国で、初めて讃岐うどんを食べたとき、すごく衝撃を受けました。「こんなにコシのある麺があるなんて……」。稲庭うどんは、繊細じゃないですか。讃岐うどんもおいしいですけど、やっぱり私は稲庭ですね。

夜中でも、酔ってはいられません!

― ところで、アナウンサーになろうと思ったのはいつごろですか。

長岡 高校生ぐらいです。弁論大会とか、人前で話すことがすごく好きで、放送部に所属していました。大学生になるとちょうど女子アナが大ブームで……。

第33回 長岡 杏子さん

― なまりは大丈夫でしたか。

長岡 私たちはテレビ世代ですから、そんなに大きくなまったりしませんね。

― 秋田弁は今でも?

長岡 もちろん、母と電話で話すときや、東京でも秋田の友達と一緒のときは、すぐにスイッチが切り替わります。

― 報道番組を担当されていますが、今後やりたいことは?

長岡 やはりニュース系ですね。速報性がテレビの利点ですから。事件でも事故でも、地震でも、何か起きたら一番に報道する。これは、すごくやりがいがあります。今夏、岩手県北部で深夜、地震が発生した際は、慌ててタクシーで駆けつけました。

― 長岡さんが担当だったのですか。

長岡 震度6以上の地震では、報道担当は全員出社になっているんです。

― それは大変だ。

長岡 結局その日は、深夜1時から4時くらいまで特番を放送しまし た。たまたま、酔っぱらってなかったから良かったんですけど(笑)。

(08年9月16日TBSアナウンス部会議室にて収録)撮影:幡野好正




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