そばの散歩道

そばの花観察運動

第34回 そばの花観察運動

一般社団法人日本麺類業団体連合・全国麺類生活衛生同業組合連合会が主催する「第34回そばの花観察運動」は、全国の小学校の子どもたちが育てたそばの花をさまざまな表現で描いた写生画が1,324作品寄せられました。
平成30年12月22日、本間基史先生(関東甲信越静地区造形教育連合東京大会委員長)、平田耕介先生(東京都図画工作研究会理事長)による審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞2点、努力賞10点、日麺連賞10点、そして参加校・応募作品数を高めることを主旨として、今年も佳作100点が選ばれました。

最優秀賞 優秀賞 努力賞 日麺連賞 佳作

最優秀賞

能代市立鶴形小学校 4年

仁平 優月

 細い黒のペンと絵の具で、一本一本の茎や葉っぱを丁寧に描いたり、白の点描で、花を描いたり、工夫して表したことで、「なかよし農園」にたくさんの蕎麦の花が咲いた様子が伝わってきました。
柵の向こうに見える、家や電信柱の形や色もよく見て描いていて、「なかよし農園」がどんな所なのか、見る人の想像を膨らませてくれました。

優秀賞

東京都品川区立品川学園 3年

徳渕 紗映

 たくさんの葉っぱが放射状に描かれていることで、画面中心の蕎麦の花が元気よく咲いている印象を受けました。絵の具の色の組み合わせ方や細筆のすっとしたタッチなどもこの作品のよさを引き立たせています。
蕎麦の花をよく見ながらも、自分らしい構図や表し方をよく考えて描くことで、個性的で素敵な作品になりました。

宮城県南三陸町立入谷小学校 6年

山内 紅汰

 よく見ると、鉛筆で構図や描き方を考えながら下描きをしていることがわかりました。自分らしい表し方を追求しながら取り組んでいた様子が伝わってきました。大きく描かれた蕎麦の花や上部から下へ広がるような構図は、生命の力強さも感じます。
蕎麦の花をクローズアップで描き、雄しべと雌しべ、花びらや葉っぱなどの形と色の組み合わせ方も個性的で魅力あふれる作品でした。

努力賞


秋田県能代市立鶴形小学校 4年

児玉 陽菜


福島県白河市立白河第一小学校 5年

水野 一絆


福島県白河市立白河第一小学校 5年

森田 千夏


東京都品川区立伊藤学園 5年

生熊 雪荷


富山県立山町立日中上野小学校 6年

西田 美依那


富山県富山市立新保小学校 1年

秋元 美咲


福井県福井市日新小学校 3年

島 蒼士


福井県福井市日新小学校 4年

阿久津 希也


福井県福井市日之出小学校 3年

熊谷 大翔


福井県福井市宝永小学校 2年

兼上 茉優

日麺連賞


秋田県能代市立鶴形小学校 1年

小林 結菜


福島県白河市立白河第一小学校 5年

大谷 佳純


東京都葛飾区立東柴又小学校 6年

大久保 直之


東京都品川区立品川学園 3年

飯島 寧


東京都台東区立富士小学校 4年

柳井 旺采


富山県富山市立新保小学校 2年

若林 凌志


福井県福井市日新小学校 2年

佐藤 結夏


福井県福井市美山啓明小学校 2年

松村 遥佳


静岡県静岡市立長田北小学校 3年

水野 陽斗


静岡県静岡市立長田北小学校 3年

山本 恵大

佳作

宮城県
登米市立北方小学校
2年 遠藤 奏
5年 上野 将希
宮城県
南三陸町立入谷小学校
3年 山内 心結
宮城県
南三陸町立戸倉小学校
3年 菅原 翔太
秋田県
秋田市立寺内小学校
3年 うさみ ゆあ
秋田県
大館市立城西小学校
2年 佐々木 さくら
4年 田澤 愛美
5年 畠山 陸斗
秋田県
能代市立鶴形小学校
2年 小林 慶一郎
2年 仁平 晃紀
5年 小林 颯太
山形県
上山市立宮川小学校
3年 大沼 怜央
3年 中川 崚
福島県
白河市立白河第一小学校
5年 佐藤 凜々亜 
5年 先崎 ゆりあ
5年 長谷川 舞華
5年 丸山 汐璃
福島県
白河市立白河第二小学校
5年 梅宮 一之輔
埼玉県
草加市立長栄小学校
2年 羽生田 杏
2年 原 彩花 
2年 遊佐 亮都
3年 大村 岳
5年 宮川 まひる
5年 山口 詩絵
東京都
葛飾区立東柴又小学校
5年 小口 琉雅
5年 黄 明珠
5年 関矢 花保
5年 畑 羽瑠人
5年 松田 栞奈
東京都
品川区立伊藤学園
5年 蘆家 博航
5年 八尋 涼太
東京都
品川区立大井第一小学校
3年 飯合 春佳
3年 石原 璃子
3年 大木 薫子
3年 影山 実南
3年 小林 夕馬
3年 瀨古 托人
3年 谷口 陽生
3年 中津 優衣
3年 西澤 琳
3年 畑 百花
3年 平田 智隆
3年 リブ サワティ
東京都
品川区立品川学園
3年 池田 勇
3年 伊藤 雫
3年 中村 佳世
3年 羽鳥 心
3年 平ノ上 愛真
東京都
台東区立富士小学校
4年 上野 晃太郎
4年 小島 恵翔
東京都
港区立芝小学校
5年 今津 こころ
5年 須田 和泉
5年 田上 涼葉
東京都
武蔵村山市立第一小学校
2年 木村 優海
2年 湊 陽咲
富山県
立山町立日中上野小学校
3年 村上 紬
富山県
富山市立新保小学校
1年 齋藤 真歩
1年 宮西 小夏
2年 柏﨑 志織
2年 佐双 颯斗
2年 善加 凪咲
2年 本郷 和暉
福井県
勝山市立平泉寺小学校
1年 長谷川 優
2年 山内 莉乃
福井県
福井市日新小学校
1年 清水 遥
1年 間 萌々香
1年 森下 結衣
2年 大尾嘉 優里
2年 栗田 侑真
2年 西原 令
2年 藤井 千聡
2年 吉村 優海
3年 山口 篤貴
3年 和田 海司
4年 清水 梨杏
4年 宮下 啓輔
4年 和氣 生実
福井県
福井市羽生小学校
2年 サイウラト ポンチャノック
3年 吉森 莉乃 
福井県
福井市日之出小学校
3年 市橋 愛美
3年 岩崎 咲愛
3年 能世 修考
福井県
福井市宝永小学校
2年 片山 未来
2年 白﨑 紗奈
福井県
福井市美山啓明小学校
1年 藤田 千代
1年 前田 東吾
5年 永井 希実
5年 林 咲月
6年 竹林 海音
静岡県
静岡市立長田北小学校
3年 酒井 優杏
3年 坂田 サラ
3年 藤村 侑希
3年 森 創史
静岡県
静岡市立西奈南小学校
1年 藤川 龍樹
2年 中平 淳吾
4年 増田 望海
静岡県
袋井市立三川小学校
1年 久保田 眞大
1年 松尾 碧羽

「第34回そばの花観察運動」
作品審査総評

 第34回そばの花観察運動に今年は1,324点もの作品が集まりました。北は秋田県から南は京都府まで10の都府県からの応募がありました。前回よりも応募作品が200点以上増え、関心の高さが伺えました。

 本作品展の大きな特徴は希望する学校にそばの花の種を配り、子供たちが、土を耕し、水やりをし、精魂を込めて育てた自分のそばの花を描くことにあります。
自然の風景や他人が育てた草花を観て描くのではなく、自分が育てたそばの花ですから思い入れが違います。最終的に花が咲いたところで描いていますが、種から芽が出て、葉が出て、茎が伸び、つぼみから花になる過程も観察したうえでの作品です。種を蒔いた時から、 花が咲くまでの経過の物語が描かれています。
自分が触れた土の色、徐々に伸びていった茎の微妙な色の違い、自分だけの花の色がよく描かれています。また、生命力に溢れた勢いのある花の様子が画面から伝わってきます。

 ここ数年、継続して審査に関わらせていただいていますが、回を重ねるごとに子供の目線で自由な発想、描き方が保証されてきているように思います。
今回、感じたことは「そばの花」からイメージを広げ、着物の柄や包装紙のようなデザイン的な作品が増えたことです。同じパターンの繰り返しや、画面の天地がなく、模様のように表現しています。表現の幅が増えてきたことはいいことです。描くものは「そばの花」と決まっているのですから、描き方や技法まで限定した教員のイメージに沿って描くのではなく、子供が「そばの花」から受けた自らのイメージで自由に描くことが大切です。無理に画面全体を塗らせるような指導は必要ありません。のびのびと描かれた作品からは、子供の感じた空気感や風まで感じとることができます。造形教育の世界では「鑑賞と表現の一体化」ということが言われますが、本作品展は「体験と表現と鑑賞の一体化」が図られた貴重な作品展です。

 より多くの学校が参加してそばの花観察運動が広がることを願います。

関東甲信越静地区造形教育連合

東京大会委員長 本間 基史