そばの散歩道

そばの花観察運動

第35回 そばの花観察運動

一般社団法人日本麺類業団体連合・全国麺類生活衛生同業組合連合会が主催する「第35回そばの花観察運動」は、全国の小学校の子どもたちが育てたそばの花をさまざまな表現で描いた写生画が、1,019作品寄せられました。
令和元年12月21日、本間基史先生(関東甲信越静地区造形教育連合東京大会委員長)、平田耕介先生(東京都図画工作研究会理事長)による審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞2点、努力賞10点、日麺連賞10点、そして参加校・応募作品数を高めることを主旨として、佳作100点が選ばれました。

最優秀賞 優秀賞 努力賞 日麺連賞 佳作

最優秀賞

長野市立戸隠小学校 1年

馬場 ななみ

 戸隠は、蕎麦で有名なところですね。広々とした蕎麦の畑に、白い花が一斉に咲く季節を想像しました。そして、クレヨン、パスで描かれた、たくさんの白い花から力強さを感じました。また、手前の色の組み合わせや、遠くの景色などでは、色を重ねながら描いていて工夫をしていますね。鳥が飛んでいる様子もよかったです。

優秀賞

東京都品川区立立会小学校 6年

嶋田 幸輝

 蕎麦の花の繊細さをよく捉えて描いていますね。開いた花や小さなつぼみ、葉や茎など一つ一つに思いを込めて描いてることが伝わってきました。
 背後の池や木は、ガラス越しに見えるのか、それともここは温室の中なのか、細い柱のような線とカエルが描かれていることで、見る人の想像を膨らませてくれる個性的で素敵な作品になりました。

福井県福井市日新小学校 3年

臼井 結香

  クレヨンで描かれた蕎麦の花がとても元気よく、目を惹きつけられました。また、大きく描いた4本の花と、小さく描いた7本の花が、画面のバランスをよりよくしています。
 茎や葉っぱでは、緑と黄緑、赤など、色を変えて描いていたり、雌しべや雄しべを描き足したり、工夫も感じられました。明るい色の絵の具の着色で、この作品がさらに魅力的になりました。

努力賞


宮城県登米市立北方小学校 6年

上野 将希


東京都品川区立大井第一小学校 3年

沓掛 蒔仁


東京都東大和市立第九小学校 6年

宮崎 優人


福井県勝山市立平泉寺小学校 2年

長谷川 優


福井県福井市日新小学校 2年

坪川 慶大


福井県福井市日新小学校 3年

田邊 結衣


福井県福井市日新小学校 4年

岩堀 心珀


福井県福井市美山啓明小学校 5年

前川 佑奈


静岡県静岡市立長田北小学校 3年

鈴木 花奈


大阪府大阪市立育和小学校 1年

村中 美宙

日麺連賞


宮城県登米市立北方小学校 2年

瀬川 真由


福島県白河市立白河第一小学校 5年

田村 絢


福島県白河市立白河第一小学校 5年

根本 拓海


東京都品川区立伊藤学園 5年

中川 七海


東京都東大和市立第九小学校 4年

儀保 結菜


東京都東大和市立第九小学校 4年

菅沼 健人


福井県福井市日新小学校 2年

森下 結衣


福井県福井市日新小学校 3年

藤井 千聡

佳作

宮城県
登米市立北方小学校
2年 伊藤 叶音
2年 見目 清良
2年 三浦 せり
宮城県
南三陸町立入谷小学校
2年 阿部 心音
2年 工藤 大和
秋田県
大館市立城西小学校
2年 仙台 樹
秋田県
秋田市立寺内小学校
4年 宇佐美 友彩
山形県
上山市立宮川小学校
3年 木村 旺成
3年 齋藤 彩菜
福島県
白河市立白河第一小学校
5年 小島 夏希
5年 仁平 遥斗
5年 渡邊 優衣
東京都
葛飾区立葛飾小学校
3年 姉﨑 心海
3年 石川 京泉
3年 石島 かんな
3年 小林 奈央
3年 辻 月夢
東京都
葛飾区立東柴又小学校
6年 上山 逸誠
6年 大前 馨子
6年 小口 琉雅
東京都
品川区立伊藤学園
5年 薄井 崇介
東京都
品川区立立会小学校
2年 牛山 遥人
2年 夏 心語
2年 川井 優大
2年 林 星成
2年 山本 莉瑚
6年 佐藤 里衣
6年 杉澤 こころ
6年 高山 怜
6年 嶽本 百合子
6年 中川 心
6年 西澤 暢太郎
6年 坂東 怜
6年 山﨑 雪藏
6年 渡部 菜々子
東京都
品川区立山中小学校
2年 北村 翔太
2年 小山 泰史
2年 中田 優奈
2年 山口 実音
東京都
世田谷区立世田谷小学校
5年 戸塚 光咲
東京都
新渡戸文化小学校
6年 伊藤 奈子
東京都
港区立芝小学校
5年 大井 康平
5年 小野 暖馬
5年 鈴木 怜愛
5年 長崎 稜賢
5年 廣實 真仁
5年 福田 蝶
5年 藤田 大河
5年 眞坂 歩夢
5年 安木 佳子
東京都
東大和市立第九小学校
2年 石田 翔音
3年 中山 愛華
5年 岡﨑 寛太
5年 松澤 美月
6年 澤登 潤
富山県
立山町立高野小学校
2年 五十嵐 瑠美
2年 渡辺 陽子
福井県
勝山市立平泉寺小学校
1年 山内 一瑳
2年 山内 陽愛
3年 山内 莉乃
4年 山田 瑛太
6年 中村 光里
福井県
福井市日新小学校
1年 加藤 翔太
1年 日置 美緒菜
2年 加藤 優志
2年 佐竹 栞奈
2年 清水 遥
2年 髙橋 花凛
2年 西島 優月
2年 福嶋 竜浩
2年 山田 真子
3年 稲木 瑛怜
3年 大尾嘉 優里
3年 大坂 俊太
3年 岡部 絢羽
3年 吉川 凛音
4年 島 蒼士
福井県
福井市宝永小学校
2年 伊豫 佳梨
2年 髙井 斗愛
福井県
福井市美山啓明小学校
1年 前田 蒼茉
2年 門 柚希
2年 前川 奈央
3年 川崎 虎優
3年 松村 遥佳
4年 中村 太季
5年 小林 里菜
6年 林 咲月
6年 渡邉 優 奈
長野県
長野市立戸隠小学校
1年 山口 結唯乃
2年 岡澤 泉雲
静岡県
静岡市立長田北小学校
3年 太田 稟々
3年 酒井 龍輝
3年 牧田 莉緒
3年 山田 瑚海
静岡県
静岡市立西奈南小学校
3年 熊谷 芽咲
5年 内野 壮一郎

「第35回そばの花観察運動」
作品審査総評

第35回そばの花観察運動に今年は1,019点の作品が集まりました。北は秋田県から南は大阪府まで11の都府県からの応募がありました。

本作品展の大きな特徴は希望する学校にそばの花の種を配り、子供たちが、土を耕し、水やりをし、精魂を込めて育てた自分のそばの花を描くことにあります。
そばの花は繊細で茎、葉、花と微妙な色の違いがあります。子供たちは発達段階に即した、描画材を選び描いています。しっかりとよくみて描いている子はたくさんの色を使い、タッチの違いでそばの花を表現しています。

観察画と写真との違いは、自分で感じた色が強調され、そばの花への想いが加わり、個性が発揮されることです。今回、違う学校なのに同じような構図で描かれた作品がありました。もしかしたら、台風などの災害でうまくそばの花が育たず、インターネットなどで検索した画像をみて描いたかもしれません。やはり、実物を観ながら描いた作品とは空気感が違います。実物を観ながら描くことで、子供たちはイメージが広がり色や形にこだわっているのがわかります。

継続して審査に関わらせていただいていますが、回を重ねるごとに子供の目線で自由な発想、描き方が保証されてきているように思います。

技法や絵の具の重ね方まで指導を入れすぎた作品からは子供の姿は見えてきません。無理に画面全体を塗らせるような指導は必要ありません。描くものは「そばの花」と決まっているのですから、描画方法の制限を加えるのではなく、子供が「そばの花」を観て、自由に描くことが大切です。

技法の指導よりも、観察のヒントの声かけや、子供たちが色の違いに自ら気が付くようなアドバイスをお願いしたいと思います。そばの花を育てる体験、しっかりと観て描く活動、自分の作品や、友達の作品を鑑賞して振り返りを行うことによって「そばの花観察運動」が主体的な深い学びとなります。

より多くの学校が参加してそばの花観察運動が広がることを願います。

関東甲信越静地区造形教育連合

東京大会委員長 本間 基史