そばの散歩道

そばの花観察運動

第32回 そばの花観察運動

一般社団法人日本麺類業団体連合・全国麺類生活衛生同業組合連合会が主催する「第33回そばの花観察運動」は、全国の小学校の子どもたちが育てたそばの花をさまざまな表現で描いた写生画が、1,370作品寄せられました。
平成28年12月23日、福岡貴彦先生(東京都図画工作研究会会長)、本間基史先生(関東甲信越静地区造形教育連合理事長)による審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞2点、努力賞10点、日麺連賞10点、そして今回も参加校・応募作品数を高めることを主旨として佳作100点が選ばれました。

最優秀賞 優秀賞 努力賞 日麺連賞 佳作

最優秀賞

埼玉県草加市立西町小学校 5年

土田 拓

画面がそばの花と葉で埋め尽くされ、着物の模様のようですらあります。一枚一枚の葉の色の違いに目を向け、葉脈もていねいに描かれています。小さな白いそばの花と葉の対比が作品にリズムを生み、観ている人を引き付ける作品です。
また、バックの色も絵具をチューブから出したままの色ではなく、落ち着いた色をつくっています。絵の具茎の赤い色もよく観察して塗ってあり、心憎いばかりの演出です。

優秀賞

秋田県能代市立鶴形小学校 2年

児玉 陽菜

はじめにそばの花をクレヨンでのびのびと描き、あとから絵の具で着彩しているため、画面に勢いがある作品です。絵の具を塗るときの筆の勢いもためらいがなく、いいですね。手前の茎の赤い部分、遠景の風景にも目を向けているので、絵に奥行が生まれています。そばの花はひとつひとつは小さな花ですが、あつまるとボリュームがでてきます。その花の形への気づきと感動が伝わってきます。

福井県福井市美山啓明小学校 5年

小林 菜央

何よりも色使いがすばらしい作品です。パレットの上で、納得するまで色をつくっている様子が伺えます。特に葉と茎と葉脈の同じ緑でも違うところ、空の水色にこだわっています。絵の具の水分量が適切で、色も混色しすぎてはいないので、清々しい透明感のある絵となっています。花のめしべ、おしべまでよく観察し描かれています。
5年生ですでに自分の色をもっていることに感心します。

努力賞

宮城県南三陸町立戸倉小学校 3年

久保田 劍

東京都江東区立第一大島小学校 4年

叶 千萌

福島県白河市立白河第一小学校 5年

遠藤 花緒

秋田県能代市立鶴形小学校 6年

小林 亜優花

城県南三陸町立入谷小学校 6年

工藤 遼祐

栃木県鹿沼市立池ノ森小学校 5年

比嘉 心菜

石川県金沢市立不動寺小学校 1年

田中 瑚乃

福井県福井市日新小学校 1年

村上 琉星

福井県福井市日新小学校 2年

野間 隆誠

兵庫県神戸市立こうべ小学校 3年

濱田 涼

日麺連賞

秋田県能代市立鶴形小学校 3年

小林 颯太

秋田県能代市立鶴形小学校 5年

加藤 凜夢

東京都葛飾区立東柴又小学校 6年

飯島 咲月

栃木県鹿沼市立池ノ森小学校 1年

伊沢 滉樹

栃木県鹿沼市立池ノ森小学校 2年

金子 隼士

栃木県鹿沼市立池ノ森小学校 4年

髙橋 美月

福井県福井市日新小学校 4年

松田 真衣

静岡県浜松市立熊小学校 3年

村松 夏妃

静岡県浜松市立熊小学校 6年

森下 央睴

石川県金沢市立不動寺小学校 2年

中村 奏太

佳作

宮城県
南三陸町立入谷小学校
3年 山内 貴斗
3年 三條 結愛
4年 山内 紅汰
5年 佐藤 花菜
秋田県
秋田市立中通小学校
3年 橋村 紫音
6年 亀谷 さやか
秋田県
能代市立鶴形小学校
1年 飯坂 未優
6年 児玉 梨央
秋田県
大館市立城西小学校
4年 小林 希美
山形県
上山市立宮川小学校
3年 鏡 晴月
3年 金子 菜央
福島県
白河市立白河第一小学校
5年 渡邊 結衣
5年 鈴木 温
5年 阿部 希星
5年 添田 吏都
福島県
白河市立白河第三小学校
5年 先崎 ナナ子
5年 鈴木 彩也花
5年 石名 愛梨
5年 齋藤 愛華
千葉県
浦安市立美浜南小学校
3年 白澤 知佳
3年 山内 馨
3年 武田 ひかり
東京都
港区立芝小学校
5年 平塚 凜
5年 中島 法香
東京都
江東区立第一大島小学校
4年 熊田 浩子
4年 有永 優莉
4年 北尾 純鈴
東京都
品川区立伊藤学園
5年 井上 詩野
5年 井上 詩麻
東京都
品川区立大井第一小学校
3年 石井 心
3年 岡本 彩弥子
東京都
品川区立品川学園
3年 吉本 璃花
3年 加藤 美音
3年 清水 翔真
3年 髙橋 由梨
東京都
品川区立立会小学校
4年 御子柴 澄美
5年 樽井 和奏
6年 水野 隼斗
東京都
品川区立山中小学校
2年 みぞ口 しんわ
2年 白石 えいき
2年 三な木 はやと
埼玉県
草加市立西町小学校
4年 奥村 諒馬
4年 櫻木 光希
4年 山田 梨沙
4年 北原 柚花
5年 細井 心晴
5年 髙橋 りみ
5年 齋藤 廉武
5年 深澤 望叶
5年 藤丸 璃里香
6年 坂元 蒼
6年 鈴木 ゆゆ
6年 石津 涼太
6年 小池 朱星
6年 熊田 真桜
6年 藤見 紗音
新潟県
上越市立東本町小学校
1年 本間 萌香
2年 南雲 あゆな
5年 松井 心生
栃木県
宇都宮市立田原小学校
5年 小山田 譲
栃木県
鹿沼市立池ノ森小学校
3年 福田 奏音
福井県
福井市宝永小学校
2年 吉田 朋矢
2年 弘﨑 智華
2年 久田 優大
2年 影長 亜優美
福井県
福井市日新小学校
2年 坪田 明晄
2年 宮下 啓輔
2年 藤田 彩月
2年 坂井 琉星
4年 村中 己華
4年 宗石 日和
4年 山口 諒真
福井県
勝山市立三室小学校
1年 松山 煌生
6年 齋藤 遥奈
福井県
福井市日之出小学校
3年 岡﨑 凜香
3年 尾﨑 愛心
3年 野本 みう
3年 竹原 詩乃
福井県
勝山市立平泉寺小学校
4年 横山 結香
5年 松田 美優
5年 中村 有伽
徳島県
三好市立東祖谷小学校
5年 金森 知大
5年 南 さくら
6年 石川 陸

「第32回そばの花観察運動」
作品審査総評

32回を迎えた今年も、1,370点もの応募がありました。そばの花観察運動作品の審査会場には、それぞれの思いが広がるたくさんの作品でうまりました。

この「そばの花観察運動」で募集された作品の大きな特徴は、子供たちが夢を抱きながら実際に土を耕し、配られた種に願いを込めて蒔き、暑い夏に額に汗をかき継続して雑草抜きや水やりなどのお世話をしたという経験が、作品制作の思いにつながる点です。このことは、単発に募集をかける他のコンクールとの決定的な差として作品に現れています。

今、日本の子どもたちを取り巻く環境は、コンピューターゲームやバーチャルリアルな映像などの発達により、現実感覚を呼び起こすような実体験が薄らいできています。想像力を使い人と人が互いに尊重しながら生きていくためには、現実感覚の欠如は大きな問題となります。したがって、自分自身が土にまみれ生命の息吹を肌で感じ取った、その想いや感動を他の人のために表現する、このような活動が人間形成上きわめて大きな意義を持つと信じています。

今回集まった作品を見ると、回を重ねるごとに子供の自由な発想が広がりのびのびと描かれているものが多くなり、指導される大人が単なる技術指導に走らず子供らしさを補償していることもうかがえ、心が温まる思いでした。どの作品にも、素直な思いが込められていて、見れば見るほどそれぞれの良さが伝わり選出には苦労しました。

期待と夢を膨らませながら大切にそばを育てた子どもの思いを、気持ちを込めて表現したことは、だれにも否定できない大切な事実です。指導に当たった大人が、一人一人の子どもを自立した表現者として認め、その気持ちを正面から受け止め共感するからこそ、ここに集められたような素晴らしい作品が生まれるのです。この企画が、そのような素敵な連鎖でつながる運動として長く続くことを願います。

東京都図画工作研究会
会長 福岡 貴彦