そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

繁盛店に負けない
商品を創り出す

 「富山にはもともと、「もつ煮込みうどん」で繁盛している有名店があるのです。私はその店に負けない商品を開発しようと、この店を始める時に考えました」と話す小西啓さんは、1991(平成3)年に当地で『麺処煮込亭』をオープンした。夜は飲むお客様が多く、新型コロナウイルス感染症の影響は大きかったが、各種支援金や協力金で乗り切り、開店30周年を迎えることができた。

『麺処 煮込亭』の店舗内外観。木材の風合いを生かした内装になっている。
 小西さんは、名古屋のスポーツ用品店でアルバイトしていた当時、店の前にあったうどん店が繁盛しているのを目の当たりにした。その後、出身地である当地に戻りスポーツ用品店として独立・開業したが、大型店舗の進出などが増え、かつて目にしたうどん店を始めることにした。当初はうどん店が軌道に乗るかどうかわからなかったため、スポーツ用品店と両方を経営していたが、来客数が伸び、『麺処煮込亭』一本にした。
看板商品の「もつ煮込みうどん」は、来店客の多くが注文する。小西さんがこだわり をもって開発した商品だ。うどんを食べた後のつゆにご飯と玉子を入れて雑炊にすると2度楽しむことができる。
「煮込カレーうどん」は、マイルドなカレー味で、うどんを食べた後にご飯とチーズを入れてリゾット風にして食べることができる。
 『麺処煮込亭』の看板商品である「もつ煮込みうどん」は、小西さんが有名店に負けないようにとこだわりをもって開発した。味噌は八丁味噌が当地のお客様には合わないと考え、北海道産大豆を使用したものを業者とともに作り、麺についても東海地方の味噌煮込みうどんと異なり、柔らかめだがコシがあり、伸びにくい麺を製麺業者に依頼、『麺処煮込亭』のオリジナルとして特別に製造してもらっている。そして、具材の中心であるもつについては、県内産のブランド豚「立山ポーク」のも
つを使用、臭みがなく旨味が強いのが特徴だ。また、うどんを食べ終わった後、つゆを残してご飯を入れて雑炊として食べたり、ラーメンの麺を入れて2度、3度と楽しめるように小西さんは工夫を重ねた結果、オリジナリティあふれる「もつ煮込みうどん」が完成した。「もつ煮込みうどん」の他に
も「煮込カレーうどん」や「三位一体ラーメン」など、小西さんが一工夫したメニューが揃い、夜は手頃な価格のおつまみが飲酒需要に応える。「夏場はどうしても煮込みうどんの需要が減るので、その分、夜の営業でカバーしています」という。県内各地のイベントにも精力的に出店している。
 コロナ禍で迎えた30周年は、小西さんにとっても感慨深いものだった。地域密着で、顔の見えるお客様が多いだけに、昨今の原材料・エネルギー価格の高騰にともなう価格改定については、まだ様子を見ている段階だ。
<店舗ホームページ>https://nikomitei.jimdofree.com

麺処 煮込亭

富山県射水市黒河3068

0766-56-0432