そばの散歩道

めんの数字あれこれ

二割

日本の食糧自給率の低さは何かと話題になるところだが、ソバの自給率もかなり低く、平成に入って以降、概ね二割前後で推移している。つまり、日本で消費されるそば粉は、国産二割に対して輸入物が八割という状況が続いているわけだ。これをもって「二八そば」というなどと、笑えない冗談が囁かれているほどである。

戦後、国内でのソバの作付面積は年々減り続けていたが、ここ20年ほどは目立って増えてきている。にもかかわらず自給率が上がらないのは、単収(10アール当たりの収穫量)が上がらないからだ。とりわけ、近年は夏の長雨や台風など気象条件による収量への影響が続いている。

作付面積が増えているのには、昨今のそばブームの影響もあるのだろうが、コメの減反だ。水田の転換畑の特定作物に指定されたことから、ソバの田作が始まった。40年ほど前のことである。

ちなみに、水田からの転換畑で栽培したソバは品質が劣るといった話を聞くことがあるが、必ずしもそうではない。水抜きや土壌改良をしっかりと行えば、良質のソバが穫れるのも事実。実際、コメどころの東北、北陸をはじめ、ソバの田作はほぼ全国的な傾向になっている。

さらに平成23年より国の政策として、ソバにも戸別所得補償制度・経営所得安定対策が対象となり、作付面積が増えている。今後のソバの自給率の問題としては、台風や気温の上昇、長雨など、地球温暖化による気候の変化が心配される。