そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

店を受け継ぎ
自身で内装をデザイン

 JR 東海道本線・藤枝駅から車で10分ほど、藤の名所として知られる蓮華寺公園の近くに店を構える『ますだや』は、近隣の別の場所で約60年前に創業、その後現在に移転して40年ほどになる。3代目店主・増田祥光さんは、父親から店を受け継ぎ、自身で内装をデザイン、店舗を改装した。「私が書いたスケッチを基に、業者の方がほぼ想像通りの店舗設計をしてくれました」と話す店内は、大きなカウンターと、ライブ感のある天ぷら台が目を引く。店舗改装にともない、メニュー自体は改装前のものを引き継いでいるが、品数は絞り込んだ。増田さんがメインに据えたのは、そば店のメインと言える、そばと天ぷらだ。お客様が天ぷらを揚げているところを間近に見ることができる天ぷら台で揚げる天ぷらは、その様子を見ているだけで期待感が大きくなる。店が混雑していない時には、そばを出し、天ぷらを1品ずつ揚げたてで出すという気づかいもうれしい。

『ますだや』の店舗内外観。入口側のテーブル席は前店舗の面影を残しており、車椅子やお子様連れのお客様の優先席としている。カウンター席から見える天ぷら台はライブキッチンとして、お客様の期待感を高める。
 2年前から自家製粉も開始、そばのグレードも上げた。以前は外国産のそば粉を使っていたが、自家製粉を始めたのを契機に国産に切り替え、山形県産・福井県産を主に使用している。自家製粉した香り高いそば粉を使い、手打式麺機で製麺する。つゆは幅広いお客様に合うように甘めに仕上げている。地域のお客様から、蓮華寺公園を訪問する観光客まで、『ますだや』の客層は幅広い。
 品書きを見ると、小海老の天ぷらを使う「天おろし」、「天せいろ」や、麺類と一緒にセットで提供する「ミニ天丼」など、店の売りである天ぷらを使った商品が目を引く。「鴨せいろ」と「ミニ天丼」のセットもあり、色々食べたいというお客様の需要にも応えている。これから冬の季節には「かきそば」を提供する。
海老2 本、穴子1 本と野菜の天ぷらが入る「天せいろ」は、天ぷらとそばを看板に掲げる『ますだや』の代表メニューだ。
「W天おろし」は、店の人気商品「天おろし」の小海老の天ぷらを倍増したもの。
「天南」と「ミニ天丼」のセット。「ミニ天丼」の他に、「ミニ肉丼」「山椒ご飯」も麺類と組み合わせることができる。
 店内を見回すと本格的なスピーカーが設置されている。これは増田さんの趣味である音楽に起因している。店内ではロックバンドのコンサートを開催するほどだ。その際は、店舗入口側のテーブル席を撤去し、ステージとなる。お客様はカウンター席でライブを愉しみながら、そばを味わうことができる。
 自身のスケッチから生まれた新しい店舗は、趣味も活かし、地域のお客様をはじめ、様々なお客様を受け入れている。店づくりだけではなく、そばの専門店として、提供する品物の品質向上にも余念がない。店づくりと、味に対する研鑽を続ける増田さんの意欲は、『ますだや』を今後もより良い店へと進化させるだろう。
<店舗ホームページ>https://masudaya1960.com

ますだや

静岡県藤枝市本町1-5-11

054-641-0121