そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

千葉県千葉市『そば吉左右 更科』

 「父親は長野県出身で、千葉県でそば店を経営していた叔父のところで10 年修業して、その後に独立し、1961(昭和36)年に作草部で店を始めたのです。その後、天台に支店を出し、新しい道路ができるというので花見川に本店を移しました。その他に幸町団地・テナント2店舗の支店を出し、私はその3店舗を任されました」と話すのは、千葉都市モノレール・千城台駅から車で10分ほどの場所に店を構える『そば吉左右 更科』の2代目店主・藤井廣幸さんだ。現在の店は1991(平成3)年にオープンし、2008(平成20)年に黒(外観)と白(内装)のコントラストを基調としたモダンな造りの店構えとなった現店舗にリニューアルオープンした。自動車での利用が多いが、それに対応する十分な駐車場も完備している。最盛期は6店舗を経営していたが、営業譲渡などにより今は現店舗のみとなった。
 リニューアルしてからは、自家製粉・手打製麺に切り替え、新たな店に負けないグレードの高いそばを提供するようになった。看板商品の「三色天ぷらせいろ」は、変わりそば・二八そば・太打ちの田舎そばの3種類のそばと、季節と仕入れにより変わる天ぷらがつく。その他にも季節に合わせて提供する品々やそば粉を使用したスイーツなど、専門店ならではの味が楽しめる。

『そば吉左右 更科』の店舗内外観。
  『そば吉左右 更科』は、地産地消にこだわっているのも特徴だ。県内産の「いも豚」「錦爽鶏」を使ったメニューや、変わりそばには県内の土気地区で栽培されている「からし菜」を使うなど、県内産の様々な食材を活かしている。また、千葉市内で発生している「竹害」(手入れされず放置された竹林による被害)対策に貢献しようと、摂取することで、デトックス効果があるといわれている竹炭をそばに練りこんだ「竹炭せいろ」「竹炭そばの実プリン」「竹炭そば杏仁豆腐」を開発し、提供している。
 普段でも週末や休日は忙しい『そば吉左右 更科』だが、大規模な霊園が近隣にあり、お盆やお彼岸などはさらに客数が増える。決して利便性の高い場所ではないが、それでも客足が絶えないのは、店を目指して行く価値があるからだ。厨房には3代目となる息子の藤井隆行さんが入り心強い。
「三色天ぷらせいろ」は3 種類の味・食感も異なるそばが1 度に味わえる。千葉県産のブランド豚「いも豚」を使用した「冷やしいも豚しゃぶと温泉玉子のそば」は野菜の彩りも鮮やかな夏場(取材時)の人気商品。

そば吉左右 更科

千葉県千葉市若葉区北谷津町110-2

043-228-5057