そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

富山県富山市『東京亭 城川原店』

かつてはJRの一般的な鉄道路線であった富山港線は、路面電車(LRT・ライトレール)となって各段に利便性が増した。富山地方鉄道富山港線・城川原駅近くに店を構える『東京亭 城川原店』は、富山市内で営業する『東京亭』で修業を積んだ中川敏明さんが、のれん分けとして1990(平成2)年に独立し、当地で創業した。「私が修行した『東京亭』は2店舗ありましたが、現在は1店舗です。創業当時は周囲に会社が多く、出前
中心の営業でした」と中川さんは話す。富山港線は路面電車となったことで、運行本数も増加し、既存の路面電車と接続して運行しており、富山市中心部へ1本で行ける利便性の良さから住宅やアパートが増えた。

『東京亭 城川原店』の店舗内外観。
 1998(平成10)年に増築した部分には宴会ができる座敷席があり、新型コロナの流行前は大人数の宴会に重宝された。今は大人数での来店は少なくなり、少人数のグループが主流になったものの、法事などでの利用もある。かつては平日に来店するお客様が多かったが、周辺の環境の変化もあり、最近は平日よりも週末や土日の方が忙しいことも多く
なった。近隣のアパートなどに住んでいる若い方の来店もある。カウンター席、テーブル席、お座敷と、店内は様々なお客様に対応できるようになっている。
 そば・うどん・ラーメンを中心に、メニューは豊富だ。昔ながらのあっさり味のラーメンや日替わりのおかずと麺類を組み合わせた弁当、定食、丼物、一品料理と多彩な商品が並ぶ。 『東京亭 城川原店』でも、昨今の原材料費の高騰には頭を悩ませている。今年になってから価格改定したものの、特に米価の急騰は影響が大きい。富山県は米どころで、お客様の米に対する味覚も厳しく、店で使用している県内産のコシヒカリは簡単に変えることができない。取材した直近でも業者から価格改定の通知があったという。
  『東京亭 城川原店』では現在、出前の受注は、近隣のみにして店売りを中心としている。中川さんは「年も重ねてきたので、無理のない範囲で営業したいと考えています」と言うが、家庭的な雰囲気で安心して食事ができる場所は、お客様にとっても憩いの場であることは間違いない。
「ラーメン」はあっさりとした、ほっとする味わい。富山では昆布をよく食べる。昆布をまぶした「おにぎり(こんぶ)」は定番だ。日替わりのおかずがつく「ざるそば弁当」はボリューム満点。ラーメンやうどんでも注文できる。そば茶をサービスでつけている。

東京亭 城川原店

富山県富山市城川原2-8-27

076-438-3585