そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

地元愛から生まれた
「ミルキーラーメン」

 道東有数の経済都市、標津郡中標津町の産業の中心は酪農だ。乳用牛・肉用牛を合わせると、4万頭を超える。町には広大な牧場が点在し、大手乳業メーカーの工場も立地する。地元産の牛乳を活かしたメニューを提供している店が、『中国料理 大和殿』だ。店主・上原芳昭さんが大阪の調理学校在学中に中国料理店でアルバイトをしていたことがきっかけとなり、卒業後の1971(昭和46)年に創業(創業時は『中華料理 空海』)した。地域には専門店が少ないため、根室など離れたところからもお客様が来店する。

遠くからでも目立つ外観と清潔感のある店内。荷物入れも用意されていて、細やかな配慮がうれしい。
 中標津町では、低迷する牛乳の消費を拡大しようと、スープに100cc以上の牛乳を使う「中標津ミルキーラーメン」をご当地グルメとして2006(平成18)年から取り組み始め、上原さんはその中心として活動してきた。「契機となったのは、牛乳の廃棄問題です。最近航空会社の機内誌にも取り上げれました。中標津の牛乳はとても美味しいので、多くの人に味わっていただきたいと考えています」という。『中国料理 大和殿』では、「ミルキーラーメン(なかしべつラーメン)」として、味噌味・カレー味の2種類を販売している。「なかしべつ牛乳」はもちろん、ブランド椎茸「想いの茸」や地元の野菜など盛り込んだ一品に仕上がっている。牛乳独特の匂いはほとんど気にならず、添えられるゴーダチーズとともに、深いコクを生み出している。
「ミルキーラーメン」の味噌味。牛乳と味噌の味が上手く調和している。上原さんの地元への愛着が詰まったメニューだ。
世代・性別を問わず人気のある「天津丼」。ふわふわのかに玉と醤油味のあっさり風味のあんが飽きのこない味に仕上がっている。
一品料理で好評を得ている「手羽先から揚げ」は甘辛醤油と塩味の2種類の味が選べる。
 『中国料理 大和殿』では、定番の中国料理に加えて、時代に合わせ、積極的に新たなメニューも取り入れている。若い世代に人気がある「油そば」や、昨年から人気が上昇してきた「火鍋」、北海道のご当地丼「豚丼」などが品書きに並ぶ。また、看板に『とんかつ専門 とん殿』とあるように、本格的なとんかつも味わえる。「外に出る機会が多いので、いろいろなことを学ぶことができます。良いと思ったことはやった方がいいですね。とんかつは組合の仲間に専門店の方がおり、その方を通じて職人を紹介してもらいました」という通り、お客様にも喜ばれている。
 また、少人数のグループの増加やファミリー層向けに4種類の料理を2~3人前に盛り付けた「大和殿スペシャルプレート」や「豚ロースのしゃぶしゃぶコース」、2~6名の料理をセットにした「小会席コース」、子供の遊具スペースを用意する平日限定の「ママ友プラン」など、お客様の多様化に対応するメニューを用意している。
 上原さんの原動力になっているのは何といっても地域への愛着だ。北海道組合の副理事長をはじめ、業界や地域の要職を担い、自分の店だけではなく、地域全体の底上げを目指している。そばに関しても「中標津手打ちそば「ささ藪学校」」を開校、「全国高校生そば打ち選手権大会」に送り出した選手は2年連続で個人の部2位を獲得、上原さん自身も「蕎麦鑑定士」を1級まで取得した。
 店の営業は、2代目・上原成二さんが支えてくれているから、外部の仕事に多忙な上原さんにとっては心強い。最近はインバウンド需要の取り込みにも尽力している。補助金を利用して町の魅力を紹介する映像の作成に協力するなどして、大都市や有名観光地に流れる外国人旅行者の誘致にも力を入れる。

中国料理 大和殿

北海道標津郡中標津町東3条北1丁目7番地 大和殿ビル

0153-72-3741