東京で学んだそばを
地元の味覚に合わせる
1897(明治30)年、青森県木造町(現つがる市)出身の柿崎金九郎さんが青森市に出てきて屋台をはじめたのが店の始まりだという『五代目カネシメ蕎麦処柿崎』は、創業130年を迎える老舗そば店だ。2代目・柿崎藤次郎さんの代には店を構え、3代目・柿崎幸一郎さん、4代目・柿崎藤太郎さんと歴史を繋いできた。現店主で5代目・柿崎浩幸さんは、大学卒業後、東京の名店『本むら庵』に就職し、本店をはじめ熱海の関係店、ニューヨークの支店などで修業を重ねた。1998(平成10)年に父親である藤太郎さんに病気が判明、急きょ実家に戻り家業を継ぐことになった。実家に戻ってから3か月後、藤太郎さんが他界、店の味を受け継ぐことなく後継者となったが、2002(平成14)年には店を改装し、5代目として本腰を入れて店を受け継ぐ体制が整った。