そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

町のそば店で味わう
本格的な手打ちそば

 『小倉庵』は、かつて三業(料理屋・芸者置屋・待合)地が並ぶ歓楽街であった場所に店を構える。現在もその名残で料亭などが営業を続けている。当店は1960(昭和35)年、新宿区・牛込の『小倉庵』の支店として創業した。現店主・安藤誠さんの両親、安藤雄介さん・トシさん夫婦が店の初代となる。JR大塚駅周辺には同じルーツの『小倉庵』が3店舗営業している。
 安藤誠さんは東京都組合の理事を務め、組合で取り組む「東京二八蕎麦」事業の製麺の講師をはじめ、青年部の手打講習の講師など、技術伝達の場で大きな力になっている。

『小倉庵』は地元密着の町のそば店だ。JR大塚駅からは少々距離があるが、そば好きも足を運ぶ店になった。店に隣接する製粉と製麺のスペース兼そば打ち体験教室の会場。
 店のたたずまいは、一般的なそば店の姿で、品書きにはセットメニューや丼物もある、いわゆる町のそば店だが、『小倉庵』で提供するのは、自家製粉も行う本格的な手打ちそばだ。安藤誠さんは、15年ほど前にそばを全て手打ちに切り替えた。「最初は機械打ちと併用で、数量限定で価格も変えて提供していたのですが、全て手打ちに切り替えてからは、なかなか値上げできなくてもとの機械打ちの価格にしました」と話す。
十割そばは2種類を打つ。細内の「生粉打ち」と太打ちの「田舎そば」。そば好きが足を運ぶのがわかる。
揚げ餅を載せた「よいしょそば」。従来のからある品書きでいえば「力そば」や「揚げ餅そば」だが、ネーミングの一工夫が楽しい。
『小倉庵』は天ぷらにも定評がある。定番の「天ぷら盛合せ」。
 定番の品物に加え、安藤誠さんの創意工夫が垣間見えるユニークな品物が並ぶ。
「葉衣」…野菜の天ぷら(葉に衣をつけて天ぷらに)。
「よいしょ」…揚げ餅と大根おろし(物をもち(餅)上げるときの「よいしょ」)。
「てんぐ」…桜海老にかき揚げが具材(天具)。
「雪化粧」…白い辛味大根おろしを雪に見立てて。
「八方美人」…3人前のそばと8種類の具材。
 そば粉は特定の産地や品種に限定せず、提供する時期により様々なものを使用し、自家製粉も行う。取材時は長野県安曇野産を使用していた。店の隣には製粉とそば打ちを行う作業スペースがあり、手打ちそばの体験教室も実施している。
 昨年秋までは出前も続けていたが、思い切って店売りとテイクアウトのみにした。新型コロナウィルス感染症の影響は少なからず受けているが、テイクアウトを買い求めるお客様も増えてきた。外出することが難しい時でも、家で本格的な手打ちそばを楽しむことができる。
<店舗ホームページ>http://www.eva.hi-ho.ne.jp/ogura-ando/index.html

小倉庵

東京都豊島区南大塚1-42-8

03-3941-8230