そばの散歩道

お店紹介

各地の名店

仙台で味わう
山形の味

 仙台市営地下鉄南北線・泉中央駅を中心とする地域は、丘陵地帯に宅地開発された住宅街だ。この地域に店を構える『秋月庵三次郎』は1996(平成8)年に開店、現在は代表の石山純子さんが店を経営している。石山さんは「出身が山形県なので、店で使うそば粉は山形県の製粉会社から仕入れ、野菜などの食材も山形県産を主に使用しています」と話す。のれんに「山形路」の文字があるのはそのためだ。

『秋月庵 三次郎』の店舗内外観。広々とした店内は余裕がある造りになっている。ホール席から中庭を挟んだ反対側が宴会用の座敷席。ほとんどが自家用車利用のため、店舗前の他にも駐車場を用意している。
 『秋月庵 三次郎』は100席を有する大規模店舗だ。ホール、仕切りのあるボックス席、宴会用の座敷があり、新型コロナウイルス感染症の発生前は、年度初めや年度末、年末、法事など、宴会の予約も多かったという。ようやく最近になって宴会需要も徐々に回復してきているものの、以前に比べるとまだ少ないという。現在は住宅地に囲まれた立地だが、開店当初は周囲にはほとんど建物はなかったという。近隣にあった大学が仙台駅近くに移転し、移転前のようにアルバイトの人出確保が難しくなったものの、主婦層のパートなどにより、正月2日間以外は無休、休憩時間なしの営業を続けている。
 『秋月庵 三次郎』のそばは、更科粉をベースに通常のそば粉をブレンドした食感の良いそばだ。そば粉は山形県産や北海道産を使用している。季節限定・土休日限定で「寒晒しそば」を使用したそばも提供している。また、土休日限定で挽ぐるみのそば粉を二八で打つ「北前そば」を提供し、そば好きのお客様には好評だという。
 店一番の人気商品は温かいつけ汁に鶏肉・揚げ玉・三つ葉・鷹の爪が入る「かしわざるそば」だ。昼は「かしわざるそば」に「ミニかきあげ丼」とサラダ・デザートをセットにしたサービスメニュー「かしわざるランチ」が好評を得ている。他に山形県産の山菜や野菜を使う「天ざるそば」や夏季限定で提供する「カレーつけそば」なども良く売れる。食感の良さが特徴の『秋月庵 三次郎』のそばは冷たいそばの方がその食感がよくわかり、やはり注文も冷たいそばが多い。
店の看板商品「かしわざる」を昼は「かしわざるランチ」として手ごろな価格で 提供している。つけ汁には鷹の爪が入り、アクセントになっている。
野菜は季節毎に山形県内から取り寄せたものを使う「天ざるそば」。取材時 は山菜の季節で、朝採れたての山菜が使われていた。
夏季の限定商品「つけカレーそば」。『秋月庵 三次郎』では、通常メニューの他に季節感ある限定商品を提供している。
 東日本大震災の際は天井が落ちるなど大きな被害を受けたが、2か月後には営業を再開した。震災と新型コロナという2度の危機的な状況を乗り切ってきた『秋月庵 三次郎』、仙台にいながら山形の味を味わえる特色あるそば店として、アイドルタイムも客足が途絶えることがない、地域密着の店として認知されている。

秋月庵 三次郎

宮城県仙台市泉区泉中央3-23-14

022-346-0056