そばの散歩道

そばの花観察運動

第38回 そばの花観察運動

 一般社団法人日本麺類業団体連合・全国麺類生活衛生同業組合連合会が主催する「第38回そばの花観察運動」は、全国の小学校の子どもたちが育てたそばの花をさまざまな表現で描いた写生画が、1,018作品寄せられました。
 令和4年12月24日、本間基史先生(関東甲信越静地区造形教育連合元理事長)、平田耕介先生(東京都図画工作研究会理事長)による審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞2点、努力賞10点、日麺連賞10点、そして参加校・応募作品数を高めることを主旨として、今年も佳作100点が選ばれました。
 本事業は一般財団法人製粉振興会様、製粉協会様にご協賛いただいております。

最優秀賞 優秀賞 努力賞 日麺連賞 佳作

最優秀賞

福井県福井市美山啓明小学校 6年

松村 遥佳

 中央に描かれたそばの花にやさしく手を差し伸べている構図が印象的です。そして、大切に育てている、そばの花への思いを感じました。丸筆か平筆で塗っているところや、葉脈にそって、細筆で丁寧にぬっているところなど、描き方を考えながら工夫しているところが素晴らしいです。
下描きの鉛筆の線が、絵の具と水の量の工夫で絶妙に残しっているところも感心しました。花びらや葉の形や大きさ、色も混色しながら表していて、いろいろな「技」が光った作品でした。

優秀賞

山形県上山市立宮川小学校 3年

原田 百花

  繊細でありながら、空に向かって凛と伸びていくそばの花、そんな印象を受けました。茎や葉の形、花の細かい部分を鉛筆で丁寧に下描きをしたことで、繊細さを表すことができました。また、思いをもって細かい部分を描いたことで、生命の力強さも感じることができました。オレンジ色に黄色のリングが描かれた中央に登る太陽、
空に漂うパステルグリーン色の雲の形も個性的で、この作品のよさを引き立たせています。

静岡県静岡市立西奈南小学校 2年

望月 達裕

 自然の中ですくすくと育っている、そばの花の様子が伝わってきました。鉛筆と色鉛筆を組み合わせながら、工夫して描いています。また、地面や空などの広いところは、色鉛筆を少し横にして持って、塗ったのでしょうか。つかい方を考えながら表しています。そして、花びらや茎の感じなどは、全体をよく見て形を捉えていると思いました。 なんといっても、この作品を楽しく盛り上げているのは、そばの花に集まってきた、いろいろな虫たちです。まるで、そばの花の周りで踊っているようですね。

努力賞

宮城県登米市立北方小学校 2年

伊藤 雪乃

福島県白河市立白河第一小学校 5年

髙橋 優

福島県白河市立白河第三小学校 5年

沼田 莉桜

東京都品川区立山中小学校 2年

岡田 姫依

福井県福井市日之出小学校 2年

今村 志帆

福井県福井市美山啓明小学校 5年

藤田 千代

福井県福井市美山啓明小学校 1年

松村 幸汰

長野県長野市立戸隠小学校 1年

宮條 紗寧

静岡県静岡市立長田北小学校 3年

久保田 百花

静岡県静岡市立長田北小学校 3年

原科 百花

日麺連賞

秋田県横手市立大森小学校 4年

備前 蓮凰

秋田県大館市立城西小学校 1年

佐々木 源治

山形県上山市立宮川小学校 3年

木村 ポカラ

福島県白河市立第三小学校 5年

近内 すみれ

東京都台東区立田原小学校 5年

劉 佳諾

新潟県上越市立戸野目小学校 5年

松矢 紗奈

福井県坂井市立長畝小学校 2年

坂井 陽菜

福井県坂井市立平章小学校 2年

長谷川 はな

静静岡県静岡市立長田北小学校 3年

五十嵐 彩帆

静岡県静岡市立長田北小学校 3年

稲葉 悠人

佳作

宮城県
登米市立北方小学校
2年 及川 香穂
2年 大友 なつめ
2年 鈴木 零翔
2年 千葉 元気
2年 千葉 太陽
秋田県
横手市立大森小学校
6年 上田 道朗
5年 備前 希羅
山形県
上山市立宮川小学校
3年 粟野 紬希
3年 木村 晴香
福島県
白河市立白河第一小学校
5年 酒井 悠杜
5年 佐藤 天音
5年 鈴木 心音
5年 原 悠月
福島県
白河市立白河第三小学校
5年 臼井 心咲
5年 薄葉 咲奈
5年 鈴木 美桜
5年 千田 瑛愛
5年 福田 妃菜
5年 藤田 和美
5年 山中 結月
東京都
台東区立田原小学校
5年 小西 楓香
5年 清水 彩花
5年 山口 怜菜
5年 吉住 愛璃花
東京都
台東区立富士小学校
3年 伊香 紘樹
3年 大矢 椿
3年 中野 天寧
3年 福田 政晴
東京都
品川区立山中小学校
2年 青木 詞音
2年 江島 大心
2年 小山 詩織
2年 山崎 翔大郎
東京都
葛飾区立葛飾小学校
3年 大森 あかり
3年 吹田 遥
3年 マシルガン ヴィンス ジェイコブ
3年 山本 仁菜
東京都
葛飾区立東柴又小学校
6年 梶谷 悠太
6年 鈴木 瑛葉
6年 廣瀬 真奈
東京都
東大和市立第四小学校
2年 佐々木勇斗
2年 富山 美紅
2年 仲西 輝李
2年 藤田 新菜
2年 星 望冬
2年 山口 泰晴
東京都
東大和市立第九小学校
6年 米持 一希
3年 赤上 彩
2年 古場 蓮翔
1年 佐藤 樹一
新潟県
上越市立戸野目小学校
1年 飯塚 隆人
1年 村山 諒多
福井県
福井市麻生津小学校
2年 大堂 瑛太
2年 高嶋 胡桃
2年 松下 紗良
2年 栁本 旺次郎
2年 吉田 紗江
福井県
福井市日之出小学校
5年 岩嵜 信幸
5年 坂本 柊翔
5年 山田 佳汰
3年 山本 勇翔
2年 海野 奏太
2年 川村 実和
2年 越田 なな
2年 近藤 要
2年 佐々木 健
2年 髙井 士季
2年 橋本 梨央
2年 西谷 百合子
1年 五島 惟仁
1年 中村 美桜
1年 菜島 彩乃
福井県
福井市宝永小学校
2年 玉村 真乙
福井県
福井市美山啓明小学校
6年 川端 紗空
2年 横山 悠大
1年 土田 陽葵
福井県
勝山市立平泉寺小学校
2年 伊藤 瑞紗
2年 小林 楓真
2年 牧下 未空
1年 宮本 陽琉
福井県
坂井市立長畝小学校
2年 久保田 颯來
2年 西原 多紀
福井県
坂井市立平章小学校
2年 上田 天
2年 前原 遼介
長野県
長野市立戸隠小学校
2年 髙山 颯汰
2年 中村優樹斗
岐阜県
大垣市立時小学校
5年 近藤 諒一
静岡県
静岡市立西奈南小学校
3年 飯島 茉莉愛
2年 大塚 奏美
1年 佐野 愛夏
静岡県
静岡市立長田北小学校
3年 青木 遙飛
3年 入山 遥斗
3年 入山 颯斗
3年 川合 莉聖
3年 坂本 爽唄
3年 仲山 玲愛
3年 胸組 愛結那
3年 山田 晃裕
3年 山本 朝陽
兵庫県
丹波市立青垣小学校
4年 下野 耕士朗
3年 下野 蒔仁

「第38回そばの花観察運動」
作品審査総評

第38回そばの花観察運動に今年は1,018点の作品が集まりました。北は秋田県から南は兵庫県まで12の都府県からの応募がありました。

 新型コロナウイルス感染症禍ではありますが、教育活動も徐々に戻りつつあります。昨年と同様の出品数があったことに感謝申し上げます。本作品展の大きな特徴は希望する学校にそばの花の種を配り、子供たちが、水やりをし、精魂を込めて育てた自分のそばの花を描くことにあります。自分たちで育てたそばの花をじっくり観察することは特別な意味があります。入選作品は、そばの花を主役に、本来の趣旨である観察画として優れたものを選ばせていただきました。繊細なそばの花、葉、茎に目を向け、細かい色の変化、花や葉の形状を捉え、表現した作品です。発達段階に即して、クレヨン、パステルや色えんぴつ、水彩絵の具と表現に合わせて、いろいろな描画材を使用していました。学習指導要領が改定され、どの教科でも個別最適化が言われる中、造形活動においては特に一人一人の表現が尊重されなければいけません。観察画であれ、子供が興味を持ったのが、花や葉や茎の色なのか、形なのか、花の咲く情景なのか指導者は捉える必要があります。決して、指導者のイメージの色調や混色方法を押し付けてはいけません。本年度の各校からの応募作品のほとんどは、同じ学校からの出品作品でも色調も構図も描き方も違っており、学校の個性ではなく、子供の個性が見える作品でした。(本来そうあるべきなのですが…)そばの花をきちんと見つめて、子供が感じたままに描いている作品が多く見られました。そばの花とじっくり向き合って、感じた色や形を自由に描かせてあげる環境を、指導者の方が保証するように引き続きお願いします。また、育てる活動と観察画から食育や生活科、総合的な学習の時間への展開など教科横断的な発展も考えられます。
 そばの花を育てるには、水やりや雑草抜きなど、土に触れ、か細い花を大切に育てなければいけません。この体験が絵を描く上でも大切になっています。どの作品からも、花を見つめる子供たちの優しい視線が伝わってきました。豊かな表現活動の一助となっています。次年度も、より多くの学校が参加してくれることを願います。

関東甲信越静地区造形教育連合

元理事長 本間 基史